玉掛け作業の命綱。知らなかったでは済まない5つのNG行為と安全の基本 | 岡山トレーニングセンター
玉掛け作業の命綱。知らなかったでは済まない5つのNG行為と安全の基本
「慣れているから大丈夫」「これくらいなら問題ない」―その油断が、重大な事故を引き起こす引き金になることがあります。
特に、繰り返し行うことの多い吊り作業では、無意識のうちに「ついやってしまう」危険な行為が発生しがちです。
小さな気の緩みや確認不足が、命に関わる事故につながるケースも少なくありません。
本コラムでは、現場で見落とされがちな吊り作業のリスクと、労働安全衛生法に基づき厳しく禁止されている5つの厳禁行為について解説します。
▶YouTube登録者数3万人突破✨現場で役立つ情報を発信しています!
▶▶こちらの玉掛コラムもチェック!!
・玉掛け技能講習で習う基本的な掛け方6選を紹介!①
・玉掛け技能講習で習う基本的な掛け方6選を紹介!②
▶▶▶岡山トレーニングセンターは玉掛技能講習も開講しております😮💫!!!
危険な吊り作業:見落としがちなリスクと5つの厳禁行為
吊り作業に潜む見落とされがちな危険
吊り作業は、経験を積むほど慣れが生まれ、無意識に「ついやってしまう」危険な行為が発生しやすくなります。
小さな気の緩みや確認不足が、重大な事故につながるケースも少なくありません。
ヒューマンエラーによる事故を防ぐには、日々の確認と正しい知識の徹底が不可欠です。
以下に、現場でありがちな代表的な誤った吊り方の例を挙げます。
- スリングの掛け方が甘く、荷が不安定な状態で吊り上げてしまう
- 荷の重心を正確に把握せず、バランスを崩したまま吊り上げる
- 吊り角度が極端に狭すぎる・広すぎる(45〜60度を超えている)
- シャックルやフックの取り付けが不完全なまま作業を開始する
- スリングに摩耗や傷があるにもかかわらず、そのまま使用する
これらの行為は日常の中で「うっかり」起こりがちですが、いずれも吊り荷の落下や破損など重大な事故に直結する恐れがあります。
だからこそ、日々の作業においては必ず正しい手順を守り、用具の点検を怠らない意識と習慣が必要です。
▶▶▶【クレーン作業】知っておきたい、玉掛の色々な荷物の掛け方。基本編【ユニック車】
で玉掛の様々な掛け方パターンを紹介しています!
合わせてごらんください♪
判断ミスが招く事故とその回避策
荷の長さや形状、質量を示す尺を誤って読み取った場合、荷の重心がずれた位置で吊ることになり、荷が傾いて不安定になってしまいます
これにより、作業員の転倒や荷の落下といった重大事故に直結するリスクが生じます
また、一部の用具のみが劣化していたり、不適切な取り扱いをされていた場合でも、吊り作業全体の安全性に悪影響を与える恐れがあります。
事故を未然に防ぐためには、作業前のひと声かけや全員での確認を習慣づけ、正しい知識と点検技術を継続的に現場で共有することが非常に重要です。
吊り作業は個々の判断だけでなく、チーム全体の安全意識と確認体制によって守られるべきものです。
安全作業義務違反に該当する吊り方でついついやってしまうもの5選
以下の表は、現場で「ついついやってしまいがち」ですが、労働安全衛生法などの関連法令に基づき禁止・是正されるべき吊り方の具体例と、その対応策をまとめたものです。
これらの行為は重大事故のリスクを高めるため、絶対に避けなければなりません。
禁止される吊り方 | 具体的な内容 | 是正・対応策 |
摩耗・損傷したスリングの使用 | 目視で摩耗や切れ目、ひび割れなどの損傷が確認されているスリングを使用することは、 クレーン等安全規則第218条「不適格な玉掛け用具の使用禁止」に違反し、重大な事故原因となる。 |
使用前に必ず点検し、損傷が認められた場合は直ちに使用禁止とし、新しいスリングと交換する。 |
荷重を超えた吊り具の使用 | 吊り具の定格荷重を超える荷物を吊ることは、クレーン等安全規則第63条「定格荷重等の制限」に違反し、破断や事故の原因となる。 | 荷の重量を正確に計測し、定格内の吊り具を選定。 重量オーバーを避けるため分割吊りも検討する。 |
スリングのねじれや 重なりによる使用 |
スリングがねじれたり重なった状態で吊ると強度が低下し、
クレーン等安全規則第220条「作業開始前の点検」および安衛則第36条「特別教育の実施」に違反する。 |
吊り前にスリングの状態を確認し、ねじれや重なりがあれば必ず直してから使用する。 |
不適切な吊り角度 (30度以下や90度以上) |
吊り角度が極端に狭すぎたり広すぎたりすると吊り具に過剰な負荷がかかり、労働安全衛生法第20条に基づく「安全管理義務」違反となる。 | 吊り角度は60度以内とし、最大でも90度以下を標準とし、適切な角度を保つ。作業計画で角度管理を徹底する。 |
荷のエッジに直接 スリングを掛ける |
荷の角や鋭利な部分にスリングを直接掛けることは摩耗や切断の危険があり、クレーン等安全規則第218条「不適格な玉掛け用具の使用禁止」に違反する。 | エッジガードや保護材を使用し、スリングの損傷を防止する。 |
現場ではこれらを厳守し、適切な用具の選定・点検・管理と安全な作業手順を徹底しましょう。
↑不適切な吊り角度写真❌
危険を避けるために
基本的な知識と作業前の確認
吊り作業における危険を避けるには、まず用具の特徴や耐荷重、適切な使用方法といった基本的な知識を身につけることが重要です。
常に最新の安全基準や規則を遵守し、正確な荷の重量や寸法の計測を行いましょう。
現場では作業開始前に全員で用具や荷の状態を確認し合う「声かけ」や「点検」を徹底することが必要です。
これにより、ねじれや摩耗、破損といった異常を早期に発見し、事故リスクを大幅に減らせます。
また、荷の重心や形状を正確に把握し、複数吊りや専用の保護具を活用することで、荷の安定性やスリングの損傷防止につながります。
適切な吊り角度と継続的な教育
吊り角度は、過剰な張力や外れのリスクを避けるため、原則として60度以内とし、最大でも90度以下に調整することが必要です
さらに、定期的な教育や訓練を通じて作業員の技能や安全意識を高めることも不可欠です。
ベテランの経験を共有し、危険な状況を察知して迅速に対応できる力を養うことで、現場全体の安全性が向上します。
まとめ
吊り作業は一見シンプルに見えても、細かな点で多くの危険が潜んでいます。
正しい知識と用具の選定、荷の重心や形状の把握、適切な吊り角度の維持など、基本を徹底することが事故防止の鍵となります。
また、現場での声かけや点検、定期的な教育訓練を通じて、安全意識を全員で共有することも非常に重要です。
危険を察知し回避する習慣を根付かせることで、作業環境の安全性が飛躍的に向上します。
日々の小さな確認と積み重ねが、大きな事故を未然に防ぐ最善の方法です。
岡山トレーニングセンターでは、玉掛技能講習を開講しています。
▼▼▼ご予約の方は下記からお申し込みください!!
YouTubeもやっています!✨
お役立ち動画を上げているので、ぜひチャンネル登録してください♪
会社情報
岡山トレーニングセンター
岡山市南区浦安南町243
TEL:086-238-0508
FAX:086-241-0556
受付:月~土(祝日含) 9:00~17:00
◤詳しいアクセス情報はこちら!◢
◤Webでのお問い合わせはこちら!◢
:::::::::::::::::::::::::::
✅よくある質問を見る
✅取得できる資格一覧をチェックする
✅講習料金を知りたい
✅講習日程を知りたい